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〔目次〕
■巻頭随筆 マッピングの進化の意味論
 −人とコンピュータとの協調型表現プロセス
■特集 モバイルと地図
・「デジタル地図帳」と高校地理 
  −アプリの分類と活用の実際−
・オープンストリートマップを持って外へ出よう!
・アウトドア活動へのモバイル活用
・64歳からのスマホ事始め
■コラム
・「だいち」衛星画像を活用した世界最高5m
  解像度の全世界デジタル3D地図
 −「見る3D地図」から「使える3D地図」へ−
・平成26年度文化祭企画
 モザイク画「防府市鳥瞰図」に取り組んで
 山口県防府市立国府中学校一学年生徒達の
  展示発表を讃える
■地図楽
・読図のヒント]]II 地図の位置番号
・地図と私 地形図との出会い
・城と地図 明治4年三春県絵図方測量
 三春町と三春城
 −算術教授佐久間纉 600余の野帳、測量絵図
■文献紹介
・イラストと地図からみつける!日本の産業・自然
 全5巻
・オン・ザ・マップ 地図と人類の物語
・ビジュアル版 京都1000年地図帳
■巡検・見学会・セミナー
・「横浜市鶴見区を歩く」に参加して
■資料室 2014年12月号〜2015年2月号
・(一財)地図情報センターからのお知らせ
・付録解説
■付録 防府市鳥瞰図・防府景勝絵はがき

地図情報 Vol.35 No.1 通巻133号 特集:モバイルと地図
〔付録解説〕
吉田初三郎画「防府市鳥瞰図」
(防府市役所発行、昭和12年3月5日)他、藤本一美所蔵
 初三郎工房爛熟期の作品で、絵柄中のサインには“昭和11年初三郎よしだ”とある。初三郎が全体の構図を決め、筆致から判断して独立前の高弟・前田虹映や吉田朝太郎、中村治郎らの助手的画業の画風がよく表現されているようだ。
 大胆な構図の特色は、瀬戸内の海側上空の視点から眼下中央に向島、その対岸中央部に本図の発行元である防府市役所(現在は西方に移転)や三田尻駅(現・防府駅)、市の高台である桑山公園を配置。中心市街地の萩往還を北上すると、東西に延びる旧山陽道が交差した先に市民憩いの防府天満宮を立体的絵図で示す。東側隣接地に国分寺や周防国惣社の佐波神社、国衙跡(国庁碑)、旧萩藩主毛利氏邸宅・庭園などの名所旧跡が続く。
 背後のなだらかな山々の天神山・矢筈岳・大平山や佐波川に囲まれた町並みが一望だ。細部を観察すると、山陽本線を走る蒸気機関車や三田尻・中関両港の船群、江戸期の毛利水軍の根拠地だった御舟倉跡、塩田(現・工業地帯に変貌。一部塩田復元、三田尻塩田記念産業公園で見学・体験可)まで絵的に巧みに表現する技法である。
 図の両端には、遙か九州・朝鮮半島とか富士山、さらにピンクの桜が各地を彩り、「遊び心」満載で見飽きることはない。歴史の生き証人、大正9年三田尻〜堀間全通の防石鉄道の路線(昭和39年廃止)も見入ってしまうほどだ。
 なお、参考までに同年9月、同市役所より発行の「防府景勝絵はがき」(初三郎画5枚入り、表紙は鳥瞰図同様に防府天満宮の神様菅原道真公描画)と、鳥瞰図原画完成(現・所在不明)を知らせる当時の新聞記事を付してみた。
(藤本一美)



〔付録〕「防府市鳥瞰図・防府景勝絵はがき」(藤本一美氏蔵)
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