▼ 地図情報 ▶ AiN ▶ ICICニュース ▶ 一般向き商品          


〔目次〕
■巻頭随筆「郷土地理」と地図
■特集 山陰・考(鳥取/島根)
・中国山地の「たたら」 出雲を中心として
・鳥取県の明治期における交通事情
 〜県外への通路を求めて〜
・郷土の地図教育
・まちの魅力を地図で表現する
 〜まつえ・まちづくり塾が作り出した松江の地図
・大山の山並み七変化
・隠岐を訪ねて
■地図楽
・読図のヒントXV 大戦末期の地表記録
・紙の地形図をじっくり眺めてみよう
 第13回 その先の宮城県牡鹿郡女川町まで行きました
・古地図を旅する] 道中案内図の白眉
 (五雲亭貞秀『東海道五十三駅勝景』)
■文献紹介
・帝国書院地理シリーズ『日本のすがた』全9巻
・増補・明治期迅速測図の基礎的研究
・EXPO'70 日本万国博覧会公式ガイドマップ
■巡検・見学会・セミナー
 「江戸川橋界隈」巡検に参加して
■紙碑(寄稿)正井泰夫先生をお偲びして
■資料室 2013年3月〜2013年5月
・(一財)地図情報センターからのお知らせ
・表紙・裏表紙解説
■別冊「世界の地図情報2013−1」 (総20ページ)
地図情報 Vol.33 No.2 通巻126号 特集:山陰・考(鳥取/島根)
〔表紙・裏表紙解説
■片山楊谷の大山眺望絵図「戸上山からの眺望」他
 日本山書の会の『山書月報』444号(2000年1月)に「鳥取県の鳥瞰図一覧」を発表し、23種ほどの鳥瞰図類をリストアップしたものの、大山の古絵図は、「伯耆国角盤山大山境内真景之図」(明治44年初版、大正7年再版)のみ知見だったので、米子市立山陰歴史館を訪ね教えを請うたところ、江戸期、鳥取藩の絵師であった片山楊谷(1760〜1801年)の大山眺望絵図4点(中海から、福巌院から、戸上山から、伯州角盤山大山寺)があり、『新修米子市史 第12巻資料編絵図・地図』(1997年)に収載されているとのことで、現物を入手。寛政9(1797)年、楊谷38歳の頃の作品で精緻な紙製著色の絵図、今流に言えばパノラマ絵図に出会い驚喜したものだった。その後の2010年5月22日〜6月20日、鳥取県立博物館企画展「楊谷と元旦−因幡画壇の奇才」(図録も)が開催されたのを機に実物の絵図を拝見し、益々惚れ込むことに……。
 表紙・裏表紙に掲載の「戸上山からの眺望」(76×166cm)は特にお気に入りである。米子市街地東南方向、日野川辺りの戸上山城跡(米子城の出張所跡)から伯耆富士大山火山の優美な姿を精緻な筆つかいで表現していて、見飽きることがない。カラスガ山は三鈷峰、船上山は甲ヶ山の表記ミスがあるが、些細なことであろう。
 25頁本文中の図8「中海からの眺望」(38×80cm)は、絵図中に写生した位置を示し「此所ニテ写、清洞寺ヨリ十丁余海上」と記す。中海の舟上から米子城と家中・町家、清洞寺などを近景に入れて大山を遠望した構図。本家富士に負けない堂々とした山姿である。同じく図10「大山寺山内からの眺望」(101×134cm)は、伯州角盤山大山寺の寺領、僧坊、寺社、大山北壁などを北方上空から俯瞰した絵図であり、まさに巧みな鳥瞰図の技法を取り込んでいる。カラスガ山は三鈷峰、甲山は矢筈ヶ山、船上山は甲ヶ山の表記ミスがある。前記同様に江戸期の「大山寺領絵地図」を判読して気づいたことであった。
(藤本一美 鳥瞰図・展望図資料室主宰)


〔付録〕世界の地図情報(アジア・アフリカ編)