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〔目次〕
■ 巻頭随筆 東京
■ 特集 “地図と地形”で歩く東京
・地理巡検で注目したい東京の地形
・隅田川を中に、西の台地・東の低地を走る鉄道
・東京のさんぽ道
・江戸の町づくりと寺社
・東京・江戸の鳥瞰図の世界−
  付録「大東京鳥瞰図」を中心に−
■ 地図楽
・読図のヒント] 地図の中の文字
・紙の地形図をじっくり眺めてみよう 第8回
 0メートルの等高線
・古地図を旅するX 壁掛け地図
・海図をもっと知ろうB
 −海上の交通ルールと海図記号−
■ 文献紹介
・地図と愉しむ東京歴史散歩
・日本地図史
・鷹見泉石 オランダ名
 ヤン・ヘンドリック・ダップルを名のった武士
■ コラム
・ウメサオタダオ展 −未来を探検する知の道具−
■ 資料室
・2011年12月〜2012年2月
・巡検・見学会・セミナー
 「人形と旧跡の町 岩槻」巡検に参加して
・地図情報センターからのお知らせ
■ 付録
 「大東京鳥瞰図」(石川真琴作画)
地図情報 Vol.32 No.1 通巻121号
〔表紙解説〕
■「大武蔵野立体地図」 西村健二 作画
 西村健二氏は『地形模型の作り方』(古今書院、昭和31年)の著作でお馴染みである。「山好き」が高じて、旧制中学5年生を終える頃には内山模型製作所の作品と肩を並べるほどに腕を磨いていたほど、立体的把握センスは抜群であったようだ。大正14年からは旧制成蹊高校地質学教室助手として赴任。中等教員鉱物科試験に合格し、地形模型の仕事も継続しながら20年間教鞭をとる。昭和20年終戦直後に成蹊学園を退職し、日本地図や日地出版など民間地図会社に奉職。前述の模型本出版の昭和30年代以後は、自営の「地形模型製作工房」に専念している。元国土地理院長の西村蹊二氏(2010年ご逝去、本誌115号参照)はご子息で、まさに地図一家といえる。
 ところで、表紙の本図のことだが、『科学知識』17巻4号(昭和12年4月)の武蔵野を探る特輯号付録として発表されたものであり、西村健二氏が成蹊学園に勤務されていた頃の作品である。
 作品(2点)の描画法は、まず5万分の1地形図の等高線間隔5mごとに切り、積み上げて地形模型を造る。次に完成模型を斜め上空からの角度で写真を撮り、これを原図としてブロックダイアグラム式に描いたものという。旧多摩川の扇状地地形や段丘、山の手台地の開析する谷・中小河川侵食谷の表現が巧みである。主だった地名や鉄道路線が記入してあり、地形(東京の坂)との比較関連性を判断するのが容易である。
 貝塚爽平著『東京の自然史』(講談社学術文庫、2011年)や松田磐余著『江戸・東京地形学散歩』(之潮、2008年初版、2009年増補改訂版)を参照すれば、地形を知る楽しみは倍加するだろう。なお、補足だが私の手元にある「ニシムラ」のサイン入り作品「東方上空ヨリ見タル箱根火山」(昭和5年)、「南方上空ヨリ見タル富士山」(昭和6年)の大判鳥瞰図も同様の描画法によるようだ。
(藤本一美 首都大学東京非常勤講師)

〔付録大判地図〕

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