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地図情報
Vol.44 No.1 No.169 都市と路面電車
〔表紙解説〕
 Stockholm tram map(stockholmmap360.com)
 スウェーデンの首都ストックホルムの交通機関は、地下鉄(Tunnelbana)、郊外鉄道(Pendeltåg)、トラム/ライトレール(Spårvagn/Lokalbana)など多くの路線が存在する。バスやフェリーを含む運行については、市の交通局にあたるストックホルム運輸会社(Storstockholms Lokaltrafik:SL)が当たっており、運賃は、他の公共交通と共通化されている(スウェーデン国鉄は除く)。
 交通機関の乗車・乗船にはスマートフォンに「SLアプリ」(もしくは交通系ICカードのSLカード)が便利で、
・1回チケット(75分) 42クローナ (約610円)
・24時間チケット 175クローナ (約2,540円)
・72時間チケット 350クローナ (約5,080円)
・7日間チケット 455クローナ (約6,600円)
・30日間チケット 1,020クローナ (約14,800円)
・90日間チケット 2,960クローナ (約42,950円)
・365日間チケット 10,710クローナ (約155,390円)
 がある(1クローナ≒14.5円、2024年3月初旬)。
 乗車は、地下鉄を除いて、信用乗車方式をとっており、改札はない。
 ストックホルムのトラム(当初は馬車)は1877年に開通。1946年に最大規模になったが、多くの大都市と同様、1964年に大部分が地下鉄やバスに置き替わり、1967年9月、交通が左側通行から右側通行に変わると市内中心部の路面電車網が廃止された。
 しかし、1991年に、Norrmalmstorg(ノルマルム広場)とDjurgården(ユールゴーデン島)の間を走る最も古い路線であった「Djurgårdslinjen(7号線-グレー)」が復活し、2018年にはT-Centralenまで延長された。
 「Tvärbanan(22号線-オレンジ)」はLiljeholmenとGullmarsplanを結ぶ新路線(2000年)で、その後Solna stationやSiklaまで延長した。地下鉄やバスなどと接続し、ストックホルムを半環状に囲んでいる。図にはないが、2021年にはNorra Ulvsundaから分岐しBromma flygplats(ブロンマ空港)まで延伸した。
 「Lidingöbanan(21号線-茶)」はRopstenとGåshaga bryggaを結ぶ郊外路線。「Nockebybanan(12号線-青灰)」はNockebyとAlvikを結ぶ郊外路線で、いずれも右側通行への切り替えに伴って廃止されなかった路線である。
 Roslagsbanan(27-29)は軌間891mmの狭軌の鉄道。Saltsjöbanan(25-26)は1893年に開通した郊外鉄道である。(編集部)
目次(表紙クリックでサンプル表示)

■巻頭随筆
・京都と路面電車
■特集都市と路面電車
・成熟都市を表象する路面電車−国内における現状と展望−
・地方都市再生の鍵を握る宇都宮のLRT
・東京の路面電車
・動く路面電車の博物館:広島
・ヨーロッパの路面電車 都市のインフラストラクチャーとしてのLRT
・[column]地方・観光路面電車の栄光 東武日光軌道・東武伊香保軌道
■地図楽
・鉄道古地図めぐり⑦ 東京電車案内圖
■特別寄稿
・アグスチン・コダッシの『ベネズエラ共和国自然政治アトラス』と『ベネズエラ地理要説』
■文献紹介
・天災ものがたり
・地図と読む日本の歴史人物
   ■巡検・見学会・セミナー
・震生湖と秦野湧水巡り
■資料室
・2023年12月号〜2024年2月号
■お知らせ
・(一財)地図情報センターからのお知らせ
■付録
・改正東京市全圖
付録:改正東京市全圖