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Vol.41 No.3 No.159「利根川と生きる」
〔表紙解説〕
 大利根温泉郷鳥瞰圖(部分)
  「大利根温泉郷鳥瞰圖」は「群馬縣利根郡温泉分布圖」(折図)の裏面、「附鳥瞰圖入温泉案内及乘合自動車案内」の上部に描かれた図(部分、145%拡大)である(下部は温泉場の写真付き紹介文)。発行者は奥上州利根郡温泉組合。五十嵐昇三著、昭和5年7月12日発行とあるが分布図の作図者であるかは不明。図幅は480mm× 635mm(たとうは縦248mm×横165mm)。
 上越線水上駅は利根川上流部で、手前の川は支流の片品川。右端下の東秀館は老神温泉の旅館で、現在も営業を続ける。近接しているように見える水上駅〜東秀館間だが、実は直線距離で約24.5kmもある。「茂左衛門」とあるのは『上毛かるた』で有名な江戸前期の義民、杉木茂左衛門のこと。
 鳥瞰図の作者名も記載されておらず、本誌137号から146号に連載された地図楽「吉田初三郎の弟子達の群像」(藤本一美氏著)にも図は登場しない。
 図のデフォルメ感は初三郎の影響を受けているが、構造物等の細密度は初三郎や彼の弟子たちには及ばない。ただ、作図自体は手慣れており、全体の彩色もバランスがとれている。印刷は黄、桃、緑をベースに青・朱・墨をのせる6色印刷と豪華である。(編集部)
目 次

■巻頭随筆
・利根川改変考
■特集 利根川と生きる
・利根川東遷を整理する—赤堀川切広之図にみえるもの—
・利根川の舟運—江戸期と明治以降—
・埼玉県東部の水と生活
・利根川の近代治水と東日本台風
・[column] 長柄様と鉱毒事件
■特別寄稿
・19世紀「獨逸陸地測量部」と小菅智淵
■地図楽
・読図のヒントXLV 円形の道路網
・地図と私 大陸分水界をまたぐ滑走路
・伊能忠敬の事績あれこれ③伊能図と風景
■文献紹介
・近世蝦夷地の地域情報
・地理マニアが教える 旅とまち歩きの楽しみ方
・地図で考える中世
■資料室
・2021年6月号〜2021年8月号
■お知らせ
・(一財)地図情報センターからのお知らせ
■付録
・「自然災害伝承碑案内図」
付録:自然災害伝承碑案内図(提供:国土地図株式会社)