Vol.41 No.2 No.158「北前船の港町」
〔付録解説〕
NUEWE TAFEL VOOR ALLE LIEF-HEBBERS en Zeevaarende Persoonenvertoonende een OORLOGHS-SCHIP
NUEWE TAFEL VOOR ALLE LIEF-HEBBERS en Zeevaarende Persoonenvertoonende een OORLOGHS-SCHIP
北前船とは関係がやや薄いが、江戸時代中期頃の帆船ということで掲載した。本図はオランダの3本マスト、96門大型全装帆船軍艦を描いたエッチング版画(原寸)である。作(図)者はDanckerts, Cornelis(1664−1717)と思われ、艦名の記載がなく、標準的な艦を図解したものと推測される。アムステルダムのオランダ海洋博物館所蔵。1712(もしくは1745)年作。本図の元となったと思われる同一タイトルの単色版画は、1709年、アムステルダムで制作とある。本図はその図を左右反転(船首が左向き)し、着色したものだが、文字は反転されていない。外周の各図解位置も反転されているが、EQUINOCTIAL KOMPAS(赤道型日時計)などの盤面文字は正しく読める。単色版と本図では微細な違いがあり、版を重ねるたびに更新されたものと考えられるがその経緯は不明である。
本図のスケールには単位の記載がないため、全長は判断できないが、参考として1783年にイギリス・ウェルズ造船所で進水したカローデン級(74門)戦列艦「サンダラー」(外洋艦)は全長52メートル、全幅14.4メートルであった。当時の日本では弁才船(250〜1000石)が内航海運で運航され、1000石の船で全長約29メートル、船幅約7.5メートル(本図の2/3サイズ)とされ、木造内航船としてかなりの大きさであったことがわかる。(編集部)
本図のスケールには単位の記載がないため、全長は判断できないが、参考として1783年にイギリス・ウェルズ造船所で進水したカローデン級(74門)戦列艦「サンダラー」(外洋艦)は全長52メートル、全幅14.4メートルであった。当時の日本では弁才船(250〜1000石)が内航海運で運航され、1000石の船で全長約29メートル、船幅約7.5メートル(本図の2/3サイズ)とされ、木造内航船としてかなりの大きさであったことがわかる。(編集部)
付録:NUEWE TAFEL VOOR ALLE LIEF-HEBBERS en Zeevaarende Persoonenvertoonende een OORLOGHS-SCHIP