Vol.38 No.2 No.146「鹿児島を知る」
〔表紙解説〕
吉田初三郎画「鹿児島市鳥瞰図」
(約75%縮小)38×26cm (昭和25〈1950〉年頃、観光社作成、藤本一美氏蔵)
鹿児島市鳥瞰図といえば、金子常光画「鹿児島市大観」(大正15〈1926〉年)や同絵師の「鹿児島市」(昭和11〈1936〉年)、前田虹映画「鹿児島観光図」(昭和15〈1940〉年)、吉田初三郎画「鹿児島市鳥瞰図」(昭和10〈1935〉年)に続いて戦後の昭和25年頃に発行された作品が著名である。
鹿児島市は島津氏が治めてきた薩摩藩の旧城下町。幕末から明治にかけての西郷隆盛(南洲翁)、大久保利通をはじめ数多くの英傑を輩出した南九州第一の文化復興都市を表現。南北中央に広大なカルデラの鹿児島(錦江)湾に浮かぶ活火山・桜島の勇姿を配し(大正3〈1914〉年大噴火で陸続きに)、眼下には高度感をもたせて市内を俯瞰できるのだ。詳細な立体絵図であり、平面図の役割をもつ。山側には島津公墓や南洲神社、(尚古)集成館など、市中心部には城山公園下に県庁や市庁舎、商工会議所、山形屋などを配置。市電の海側は埋立地だ。甲突川沿いには維新の元勲が出たエリアで誕生地を表示。西田橋の石橋(後に撤去)も。右隅には小さいが薩摩富士の開聞岳が存在を誇っている。
なお、画題は「鹿児島市観光鳥瞰図」で、市制60周年及び伊敷村、東桜島村の編入記念に制作されたようだ。別途、絹地彩色原画(阿瀬太紀氏蔵90×145cm)もある。(藤本一美)
(約75%縮小)38×26cm (昭和25〈1950〉年頃、観光社作成、藤本一美氏蔵)
鹿児島市鳥瞰図といえば、金子常光画「鹿児島市大観」(大正15〈1926〉年)や同絵師の「鹿児島市」(昭和11〈1936〉年)、前田虹映画「鹿児島観光図」(昭和15〈1940〉年)、吉田初三郎画「鹿児島市鳥瞰図」(昭和10〈1935〉年)に続いて戦後の昭和25年頃に発行された作品が著名である。
鹿児島市は島津氏が治めてきた薩摩藩の旧城下町。幕末から明治にかけての西郷隆盛(南洲翁)、大久保利通をはじめ数多くの英傑を輩出した南九州第一の文化復興都市を表現。南北中央に広大なカルデラの鹿児島(錦江)湾に浮かぶ活火山・桜島の勇姿を配し(大正3〈1914〉年大噴火で陸続きに)、眼下には高度感をもたせて市内を俯瞰できるのだ。詳細な立体絵図であり、平面図の役割をもつ。山側には島津公墓や南洲神社、(尚古)集成館など、市中心部には城山公園下に県庁や市庁舎、商工会議所、山形屋などを配置。市電の海側は埋立地だ。甲突川沿いには維新の元勲が出たエリアで誕生地を表示。西田橋の石橋(後に撤去)も。右隅には小さいが薩摩富士の開聞岳が存在を誇っている。
なお、画題は「鹿児島市観光鳥瞰図」で、市制60周年及び伊敷村、東桜島村の編入記念に制作されたようだ。別途、絹地彩色原画(阿瀬太紀氏蔵90×145cm)もある。(藤本一美)
付録 「輯製二十万分一 鹿児島」