〔表紙解説〕
■江東区の洪水ハザードマップ−荒川がはん濫した場合に備えて−の英語版
(Koto Ward Flood Hazard Map−Preparing for the flooding of the Arakawa River 1:15,000)
A1判縦長の大きさの地図を折畳んで配布している。江東区は外国人の居住者が多いためか、ハザードマップや防災地図の外国語版が充実している。江東区は、その大部分が江戸時代以来の埋立地で、地盤沈下がすすみ、とりわけ東部には地表の標高が−3mを越えるエリアがひろがっている。水色の濃い部分は洪水時に水深が5m以下、黄色い部分は1m以下が想定されている。緑色の大きな矢印は近年埋立てられて標高の高い湾岸エリアに避難せよ、という意味で、緑色の枠があるところがその避難先(Evacuation Area)。江東区の洪水ハザードマップには、別に「隅田川・江東内部河川はん濫」の想定地図も作成されている。
〔裏表紙解説〕
■国分寺市の災害危険診断地図(1:10,000)
江東区同様にA1判の大きさであるが、市域のかたちを反映して横長である。この地図の最大の特色は、地形分類が示されていることで、谷底低地(水色線のメッシュ)や浅い凹地(水色)、傾斜地(緑色。濃い色が傾斜がきつい)、盛土(黄色)、切土(茶色)、段切宅造地(薄茶色)が色分けされている。小豆色の短い帯は、崖・よう壁崩壊危険区域。赤のメッシュは出火危険区域、赤の点々は延焼危険区域でおもに駅前の商業地区が相当する。なお、青の横線は浸水危険区域である。国分寺市のハザードマップは、区部を含めた東京エリアではもっとも危険情報が豊富で、よくできた地図のひとつといえる。 (芳賀 啓 ㈱之潮代表取締役)